初フルマラソンを走って思ったこと (後編)

<20キロ~30キロ>

ここから先は練習でも走ったことの無い、未知のゾーンだ。

少しずつふくらはぎや太ももに張りを感じ始める。

今まで晴れていた空の向こうに、黒い雲が出てきたのを発見したような気分。

ドリンクステーションでタイガーバームを塗りたくり、ストレッチをして走り続ける。

21キロ地点で折り返す。これでやっとハーフマラソンの距離が終わった。

折り返してからは対向ランナーの中に友達がいないかを探しながら走る。でも見つからない。

そしていよいよ本格的に夜が明ける。幸運なことに天気は曇りで、フルマラソンにはうってつけの天気だ。

イーストコーストの道沿いでは、ドリンクステーション以外にも一般の人たちが飲み物や氷などを準備していてランナーに配っている。

途中の道沿いでコーラを配っている人がいたのでもらって飲む(ドリンクステーションにはコーラなんてもちろん無い)。ものすごい美味かった。

28キロ地点で会社の同僚が待ってくれていた。ありがたい。

足の痛みもだんだん激しくなってきたなか、30キロ地点を過ぎる。この先が地獄であった。

 

ペースは6分半から7分くらい。スタミナは全く問題ないが、足が痛くてペースを上げられない。

 

<30キロ~40キロ>

この区間は本当に辛かった。

とにかく走り続けようとするのだけど、足を一歩踏み出すごとに足の裏に痛みが走る。

走るのを止めろと両足が訴えてくるのだけど、歯を食いしばり、その声を無視する。痛みにうめきながらもI意地で走るのを止めない。

「ドリンクステーションまでは頑張ろう。ドリンクステーションに着いたら立ち止まって足をマッサージしよう。だからもう少しの辛抱だ。」と心の中で唱えながら走る。

だけど走るペースは痛みのせいで劇的に落ちていて、ドリンクステーションにもなかなかたどり着かない。
本当に辛かった。

35キロ地点、マリーナバラージュ貯水池ゲートの上を痛みを耐えつつ走っていると、僕の名前を呼ぶ声がした。顔を上げると友達が2人待っていてくれた。

持ってきてくれたウーロン茶をもらって、写真を撮って、また走り出す。

38キロ地点から長い上り坂に入る。最後にきつい坂があるよと経験者の友達から聞いていたが、本当にきつかった。

それでもとぼとぼ走っていると、4時間45分のペーサーが追い抜いていった。目標タイムの5時間を切るためには着いていかなきゃと思い、必死で着いていく。

 

上り坂を登りきったところで、完全に燃え尽きた。

 

ペースは8分から10分くらい。辛すぎる。30キロの壁に思い切りぶち当たった気分。

 

(長くなったのでさらにつづく)